その一家は、どこにでもある普通に幸せそうなファミリーだった。が、父は泥棒、母は結婚詐欺師、長男は偽造職人で、長女とまだ幼い次男も「犯罪で生計を立てていること」を知っていた。なぜ5人は、危ない橋を渡るそんな歪な関係を選んだのか?すべてが明らかになったとき、われわれの既成概念の斜め上で結 ばれた“アットホーム"な絆に静かな感動がひろがる。
原作は、「真夜中の五分前」「ストレイヤーズ・クロニクル」など映画化が続く人気作家、本多孝好の珠玉の短編小説「atHome」。トライアルな物語を具現化するために、魅力的なキャストが集められた。一見飄々とした、しかし骨のある父親かつ泥棒役に竹野内豊。結婚詐欺師でその“妻"には松雪泰子。3人の子どもたちには映画界の注目株、「MEN'SNON-NO」専属モデルとして活躍、役者としても成長著しい坂口健太郎、ネクストブレイク必至、若手女優の黒島結菜、そして弱冠10歳の若き名優、池田優斗が!トリッキーなプロット光る本作を、5人のアンサンブルが巧みに牽引している。
監督は『未来予想図~ア・イ・シ・テ・ルのサイン~』(07)でデビューした蝶野博。おもに平山秀幸組で腕を磨き、竹野内豊とは監督補を務めた『太平洋の奇跡-フォックスと呼ばれた男-』(11)以来のタッグ。脚本を手がけたのは『手紙』(06)、『ふしぎな岬の物語』(14/共同脚本)の安倍照雄。蝶野博とは、やはり平山組に監督補で参加した『やじきた道中てれすこ』(07)で組んでいる。